浅草花やしきの客層について
Q: 最近のお客さんの層はどのようになっていますでしょうか。
最も多いのはご家族、いわゆるファミリー層です。概算ですが、7割から8割はご家族でいらっしゃっていると思います。
Q: 花やしきは、一般にどんな印象を持たれているのでしょうか。懐かしいイメージでしょうか。
花やしきは、他の遊園地に比べて小さいお子様が乗れて楽しめるアトラクションが非常に多いんですね。昨年の4月からは、未就学児の方は入園無料としています。それまでは4歳以下の方だけが無料だったんですが、未就学児の方も無料にしました。他の遊園地では背が足らなくて乗れない0歳や1歳のお子様も乗れるものがたくさんあります。お子様のお母様方の30、40代の方が小学校の頃に来た事があるとか、またその際にお爺様やお婆様も一緒に来られて、実は娘を子供の頃に連れて来たんだというようなお話も頂きますので、三世代でお楽しみ頂けるのが花やしきの特徴ですね。そのようにしてお爺様、お婆様、そしてお母様は懐かしさを感じて頂いて、またお子様も楽しんで、三世代一緒に乗れるアトラクションが数多くあります。また園内には、花々も数多くありますから、園内を巡るだけでも楽しめますし、またステージではショーも催していますから、乗物に乗らなくても楽しめます。
パンダカー
ゆったりと歩くパンダカーは、小さな子供にも人気です。
園内のアトラクションについて
Q: 花やしきの人気のアトラクションは何でしょうか。
やはり、一番人気はローラーコースターだと思います。これは昭和28年(1953)に開業したアトラクションで、1年で最も混雑するゴールデンウィークになりますと、2時間待ちもあります。
この市街の非常に狭い敷地で、ローラーコースターには限らないんですけど、様々な要素が本当にうまく詰め込まれています。実際に乗って頂くとお分かりになると思いますが、スタートしてしばらくすると、まず銭湯を模した建物に入っていきます。また危ないように思われますが、手が届くんじゃないかというような市街の建物の壁沿いを走ります。そして左手に少し曲がると、ぶつかってしまうのではと思われるアトラクションがあったりと、他の遊園地ではあまり感じられない密集したアトラクションの中を進んでいきます。最後は、民家の中に入っていきます。よく見て頂くと、ちゃぶ台を前におじさんが座っています。乗られた皆さんが、あー懐かしいと思われるような風景の中を走ります。
ローラーコースターの最高速度は42kmですから、64歳までの方がお乗り頂けます。お爺様、お婆様から、お孫さんと20年ぶりに乗ったわというような声も聞きます。
Q: 親御さんが子供を連れて気軽に遊びに来れるようなデパート屋上の遊園地が最近減っていますが、その役割をこちらが担っているのでしょうか。
担っていけたらいいなと思います。昔懐かしいザリガニ釣り、射的等も縁日コーナーでやっています。射的等では、お爺様がお孫さんにこう打つんだよと教える姿をよくお見掛けします。(右段に続く)
海外層へのアピールについて
Q: 海外の方はどうでしょうか。また今後の取り組みについてお聞かせ下さい。
入園者数では、今は1%、2%に満たない程だと思います。今後増えていくと思うんですが、2014年度の総入園者数55万2000人の内の5,000人程だと思います。私どもの見解ですが、海外の方は短い時間で色々な所を巡るツアーをご利用の方が多いんですね。例えば、午前中にお台場に行って、水上バスで浅草まで来られて、浅草で長くて2時間程、早い方だと1時間程度の滞在で、その帰りに秋葉原に行くというような、スケジュールがタイトな方が多いように思います。そのため遊園地では、時間的に少し難しいのではないかと思います。浅草門あたりの外観の写真だけ撮るという方もよくお見掛けしますので、1時間程度で回れますよという事をアピールする事で来園者が増えるかもしれませんね。
Q: 園内を一周するにはどの程度の時間が必要でしょうか。
平日であれば、2時間程もあれば十分お楽しみ頂けます。また花やしき流忍者体験道場をオープンしましたので、遊園地に入らなくてもお楽しみ頂けます。1時間の忍者体験等、そのようなアトラクションも考えています。
Q: 観光ガイドブックのロンリープラネット等に掲載されると海外の方が多く見学に来ますが、将来的には海外の方を積極的に集客したいと考えられていますか。
まずは忍者体験道場を始めましたが、実はすごく勉強されている方が多くて、私より忍者について詳しかったりしますので、本物をご覧頂くのも良いのではと考えています。そのため、着物で茶席を体験できる「Nadeshiko」というお店もやっておりますし、そのような試みから総合娯楽場を目指そうという事で「花やしきルネッサンス」と掲げています。明治、大正というのは浅草が日本で一番栄えている時でした。しかし、その後色々な新宿、渋谷、原宿と大きな繁華街が出来て、浅草が一時衰退した時期がありました。浅草に行けば何か楽しい事があるよと言われていた頃に戻したいという思いもありまして、遊園地もあるけれど総合娯楽場にもしていきたいと可能性を探っています。
浅草花やしきと地域の関わりについて
Q: 郊外の遊園地でも、家族連れで行けるというところはあまり多くないですね。
遊園地は、そもそも基本的に山の中に造るようなイメージなので、遊園地に行って一日中遊園地で遊ぶようなイメージがおありだと思うんですけれども、浅草はそうではなくて、浅草の町も楽しめます。その中に遊園地もあって、浅草寺にお参りも出来てと多様な遊び方が可能です。これまでの映画館や劇場がどんどんと閉鎖されていますが、一方では新しい劇場もどんどん出来ていますから、そういったものを帰りにちょっと見てというように、総合的に楽しんで頂けたらいいなと思っています。その辺を花やしきが頑張って中心を担えれば良いと思っています。
Q: ぜひ浅草寺の雷門前からこちらまで足を伸ばして頂きたいですね。
そうですね。最近では、仲見世から歩いて来られて、お参りしてそのまUターンされる方が多い中、少しずつこちらにも足を伸ばして頂けるようになっています。近隣の商店街さんもみんな綺麗に道路も舗装されていますから。花やしき通りは、正式名称は「花やしきエンターテイメント通り」となっていまして、土・日曜日は大道芸も催しています。花やしきでも手裏剣道場を出してみたり、花やしきの前の通りを歩くだけでも楽しいよというようにしていきたいと思います。周辺の店舗も以前に比べて増えました。以前は夜になると暗くて、お子さんが歩くのは少し怖い通りだったのですが、今ではかなり改善されて明るくなり、ご家族連れも安心してお出でになる事が出来ます。(次ページに続く)
花やしきは、小さな子供も楽しめるやさしい遊園地です。
花やしきは、小さな子供も楽しめるやさしい遊園地です。






