2012年9月1日掲載 / 2019年12月1日更新
2012年9月1日掲載 / 2019年12月1日更新

上野桜木、谷中は子供の思い出が蘇る暖かく懐かしい町です。


曹洞宗玉林寺の巨大なシイの木(谷中1丁目)
本堂裏手に立つシイ(スダジイ)の巨木は、幹回り5.63メートル、樹高9.5メートルもあります。東京都指定天然記念物となっています。

板壁の懐かしい家並みが見えます。
 

玉林寺境内には、国民栄誉賞受賞とその業績を顕彰した横綱千代の富士像(九重親方)が建っています。(平成23年(2011)6月建立)

 上野桜木、谷中には多くの寺院や霊園などがあるため、上野の山の自然や植生が残る貴重な地域ともなっています。江戸時代の武家屋敷の面影が残る道々から、そこここに緑が見えます。これらの緑が落ち着いた町の陰影を形作っています。上野公園内の東京藝術大学や東京都美術館、東京国立博物館にも隣接し、また日本美術院もあるため、芸術家が住み、また画廊や画材店もある地域です。文士や画家、音楽家が行き交った頃には、絵具や筆、表具などを商う店舗が軒を並べていました。現在では、その数は減ってしまったとのことですが、時折出会うこれらの店舗や画廊に、町の面影が蘇ります。

曹洞宗玉林寺山門
大名時計博物館は、谷中の街角にふと現れます。陶芸家の上口愚朗の大名時計、櫓時計、尺時計、台時計、枕時計などの60点余のコレクションを基に展示されています。正門の傍らには、大名屋敷よろしく、開館時間を触れる「掟」の表札が建っていました。(谷中2丁目)
玉林寺中庭
 
大名時計博物館の正門の傍らには「勝山藩下屋敷跡」の碑が建っていました。このあたりは、美作(みまさか)国(現岡山県)真島藩下屋敷があったため、谷中真島町と呼ばれていました。藩主の三浦氏は、慶応の頃(1865)に藩名を勝山から美作国の郡名の真島に変えました。またこのあたりは、上野台地から続く愛染川流域にあたることから、坂が多くあり、そのひとつの三浦坂を登り切った所に大名時計博物館はあります。

繪処(画家アラン・ウエスト氏のアトリエ・画廊)
アラン・ウエスト氏は、東京藝術大学で日本画家加山又造氏に学び、谷中にアトリエと画廊を構えています。同アトリエ・画廊は、台東区のアトリエ化支援事業の助成も受けています。(谷中1丁目)

 

台東区の巡回バス「めぐりん」(谷中清水町公園停留所)
台東区を巡るバス「めぐりん」には、北めぐりん、南めぐりん、そして台東区役所から谷中、不忍池、浅草などを巡る東西めぐりんがあります。東西めぐりんは、東京国立博物館、寛永寺を経て、谷中清水町公園、旧吉田屋酒店、谷中霊園入口、谷中銀座などに停まります。
 
SCAI THE BATHHOUSE
200年の歴史を有した銭湯「柏湯」を改装して、平成5年(1993)にオープンした現代美術ギャラリー。今も銭湯の煙突が建ち、暖簾が掛けられ、その風情を残しています。(谷中6丁目)
 
様々な色合いの日本画に用いられる岩絵の具の瓶が並べられた画材店のショーウィンドウは、通りにも彩りを添えています。

板壁の懐かしい家並みが見えます。
 
 
 
 
 
 

玉林寺境内には、国民栄誉賞受賞とその業績を顕彰した横綱千代の富士像(九重親方)が建っています。(平成23年(2011)6月建立)