仁・義・礼・智・信にちなんだ巨石が配された五典の水庭に面した数寄屋造りの日本建築では、海外からの来客をもてなした西洋風の設えられた応接間に並んで 和風の茶室や自室が配置されていて、まさに和と洋が同居した世界となっています。中庭では白を基調とした草木の中に一本だけ百日紅(さるすべり)の赤い花が配された様は、清新さを表していて、いかにも白いキャンバスに紅一点の色が置かれたようにも、また彫刻に用いられる大理石か石膏の白さを意図したようにも感じられます。