

本館正面の階段
Q: 作品の保存・修復については、いかがですか。
美術館の役割や使命も、時代の変化と共に大きく変わろうとしています。
以前は保存修復室、保存科学室がありましたが、平成13年(2001)から独立行政法人になり、運営交付金が毎年4%、人件費も毎年1%ずつ減らされています。事務の定員も18名から12名へ削減となり、学芸員も人員削減しなければならないかもしれません。今年の2月末には、フレキシビリティのある組織変更として、縦割り体制からチーム制に変更し、保存修復室、保存科学室は無くなりました。今後、優秀な外注先が多いこともありますが、保存修復は外部に発注することになっていくと思われます。

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「ナポリの浜の思い出」(1870-72)


ウジェーヌ・カリエール「クレマンソー」(19世紀)

Q: デジタル技術を用いた新しい試みなどはいかがですか。
デジタルの波は、美術鑑賞の形すらも大きく変えようとしています。
ユビキタス・ミュージアムの特別補助金で、平成16年(2004)から「ウェル.com美術館プロジェクト」という音声映像ガイドを始めました。今年(2010)4月から「Touch the Museum」と題して、iPhoneやiPod Touchによる音声映像ガイドを始めています。株式会社NHKエデュケーショナルと協力して良質のコンテンツを蓄積していて、これらを活用しています。
映像ガイドにおけるデータ形式は、軽く、かつ印刷も綺麗な日本写真印刷株式会社によるArtize方式を利用しています。

19世紀の絵画(新館2階)

ポール・シニャック「サン=トロペの港」(1901-02)


ヴィルヘルム・ハンマースホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」(1910)



本館正面の階段